なるほど、嘘ではないでしょうし、よくあるパターンです。でも、これも十分ではありません。たとえば、相手が得意先や上司、あるいはあなたの大切な人との場合は、もう少し工夫が必要です。その工夫が、これ!
「話が長くなった責任は、私にある」と、相手にアピールすること。
「ごめんさない。面白くてついついお話を聞き入ってしまい、こんな時間になってしまいました」
「お時間、大丈夫ですか? 私が質問ばかりしたもので、ずいぶんお時間をとらせてしまいまして」
こんなふうに、話が長くなったのは、話が面白くてついつい聞き入ったり、質問したりしてしまった私のせいだと語るのです。そのうえで、「もっとお話をお聞きしたいのですが、ちょっと時間がなくて」と言えば、相手も事情を察し、嫌な顔をしないでしょう。
相手のせいにするのではなく、「話が面白くて聞き入ってしまった」自分のせいにする。こうすれば、相手も悪い気はしないはずです。これが、いい話の切り方です。
「面白かった」「楽しかった」で、フェイドアウト
さらに、話を上手に切り上げるいい方法がもうひとつあります。その雑談で心に残った気持ちをひと言で表すという方法です。たとえば、
「お会いできてうれしかったです」
「あー、面白かった!」
「楽しい時間でした」
「ただただ、驚きの連続でした」
と、伝えるのです。
これだけで、それまでの雑談の内容が、うれしかったり、面白かったり、楽しかったり、驚きの連続だったという印象が残ります。簡単でしょう。今日から、すぐに使ってみてください。
人の記憶に残るのは、「一番感情が盛り上がった、ピークのとき」と「別れ際の、エンドのとき」(ピーク・エンドの法則)だそうです。
人は、別れる瞬間の相手の顔、態度、言葉、しぐさ、印象をよく覚えていると言います。ならば、話の最後には、きっちりと相手に好印象を残しましょう。相手と過ごした時間が有意義だったことを伝えつつ、「ありがとうございました」と、しっかり感謝の言葉を述べます。
この、ちょっとしたやり取りが、「また会って話したいな」と思ってもらえるかどうかのポイントだったりします。
終わりよければすべてよし
言葉と同様に、最後に見せたあなたの顔の印象が、相手の頭に長く残ります。とびきりの笑顔で、雑談のフィナーレを迎えましょう。
感謝の言葉と笑顔で好印象を残して、雑談をしめくくる。