『週刊少年ジャンプ』のはじまり

今でこそ、『週刊少年ジャンプ』(集英社)は漫画界をリードする存在になっていますが、創刊された約半世紀前(1968年)当時は、『週刊少年マガジン』(講談社)『週刊少年サンデー』(小学館)といった競合他誌が子供たちに大人気。『週刊少年ジャンプ』は後発誌としての位置づけでした。『巨人の星』などで人気だった梶原一騎先生ら大御所作家たちは、すでにそれらの大手雑誌に囲い込まれていたのです。

保手濱彰人『武器としての漫画思考』(PHP研究所)
保手濱彰人『武器としての漫画思考』(PHP研究所)

そこで、ジャンプ編集部は考えました。

「とにかく新人を起用しよう。新人はみんな天才だ」

これにより、粗削りながら、いわば「ベンチャー精神」の強い、チャレンジングでエッジの効いた作品が『週刊少年ジャンプ』に掲載されるようになり、当時の少年たちの心を鷲掴みにしていったのです。

時を経て、「友情・努力・勝利」という『週刊少年ジャンプ』の編集方針に沿った、正義感の強い作品群が多くを占めるようになったのはご存知の通りです。

この時代から、漫画は正義感・使命感を学べる最良の媒体へと進化していきました。

「人生の問題は科学では解決できない」

前述の大谷翔平選手が私淑していたのが、多くのエスタブリッシュメントも師事する思想家・中村天風師で、その著書『運命を拓く』には、「人生の問題は科学では解決できない」と書かれています。

「科学的視点」だけで人生の問題を解決するには限界があり、もっとウェットな「人間的成長」を遂げることが必要だということです。

もう一人、大谷選手を日本ハム時代に育てた、栗山英樹監督はこう語ります。

「外にもヒントはいっぱいある。そこから得られる感性がないと成長していかない。野球の世界じゃないところから幅を広げる術を持ってこないと新しいことが見えない。人として成長できれば野球って絶対うまくなる」

「外の世界からヒントを知る」、そのツールとし最も手軽で最も手軽で最適なのが、日本の漫画です。皆さんも、本書で紹介した『ドラゴンボール』をはじめ漫画を読むことで、自身の夢を達成し、人としても成長していきましょう!

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