日本人だけが右脳と左脳をフル活用して日本語を学ぶ

じつは、こうした日本の漫画の表現を理解するのは、「日本人だから」できているという側面が大きいです。

養老孟司、牧野圭一氏の対談本『マンガをもっと読みなさい』に詳しく書かれていますが、日本の漫画は「非常に日本語的」なのです。

漫画のページ
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世界で唯一日本語だけが、表意文字である漢字と、表音文字であるカナの両方を、合わせて表現します。そしてじつは、漢字を処理する時には「ビジュアルとして右脳」、カナを処理する時には「ロジックとして左脳」を使い、それらを統合して理解するそうです。

世界の大部分の国の言葉が、表意文字のみか表音文字のみで表現されている中、日本人だけが、「右脳と左脳をフル活用して日本語を学ぶ」わけです。だからこそ、日本人のクリエイティビティは自然と育まれていき、漫画のような「右脳と左脳をフル活用するメディア」が、日本で活況を呈するようになったのです。

大谷翔平選手も、右脳と左脳をフル活用して夢を実現

右脳と左脳をフル活用して、イメージを持ちながら学び、目標へと歩を進める――それをまさに体現したのが、2023年のアメリカ大リーグのホームラン王に輝いた大谷翔平選手です。

大谷翔平選手が高校1年生の時に立てた「目標達成シート」(マンダラチャートともいいます)で、見たことのある方も多いのではないでしょうか。

まさに右脳と左脳をフル活用してイメージをふくらませ、自身の夢を実現させるためのアクションにまで具体化していたのです。