過去問→百科事典→教科書の「逆向き勉強法」

「超」勉強法は、私自身の経験から生み出したものだ。

私は、大学では工学部で勉強していたのだが、4年生になってから経済学に興味を持ち、経済や社会に直接関連した仕事をしたいと思うようになった。法学部や経済学部に学士入学することも考えたのだが、そうするための経済的・時間的余裕がなかったため、国家公務員試験の経済学の科目を受けることにした。

そして、「基礎から徐々に」ではなく、最初から過去問に挑戦した。分からないところは、経済学の百科事典で調べる。教科書を見るのは、最後だ。つまり、教科書→百科事典→過去問という普通の方法を逆転させ、過去問→百科事典→教科書という順で進んだのだ。普通の順序とは逆なので、私は、これを「逆向き勉強法」と呼んでいる。

このやり方なら、試験で良い点を取るという目的に必要な知識だけを最短時間で勉強できる。

非常に功利主義的だが、時間の制約がある中で目的を達成するには、徹底して合理的である必要がある。逆向き勉強法だと、全体の構造が早く分かるので、何が重要かが分かる。

最も大切なのは「何を勉強したらよいか」を知ること

新しいことを勉強する場合にまず必要なのは、何を勉強したらよいかを知ることだ。

学校で勉強する場合には、勉強の内容や進め方を示すカリキュラムを学校が準備してくれる。しかし、独学する場合には、自分で判断しなければならない。これはたいへん難しい。

これから勉強するのだから、その内容について詳しくは知らない。知らないことについて何を勉強したらよいかを判断するのは、それほど簡単ではない。

普通の方法だと、つぎのようになる。まず、その分野の代表的な教科書を、最初から順に読む。分からない語句や概念が出てきたら、百科事典などで調べる。そして最後に、その分野の試験問題を解く。しかし、この方法だと、全体の体系がなかなか分からず、どこが重要なのかの判断ができない。

これに対して、逆向き勉強法だと、全体の構造が早く分かる。全体の構造が分かると、何が重要で何が些細ささいなことかの判断ができる。こうして、「超」勉強法の原則の1つである「重点化」が実現できるのだ。