ペダル付き原付バイク「モペッド」で公道を走るには、運転免許やヘルメットの着用が必須だ。しかし、それを無視して、ナンバープレートのない車両を無保険で乗り回す人が後を絶たない。自転車評論家でジャーナリストの疋田智さんは「違法で危険な乗り手を減らすには、販売側に網をかけるしかない」という――。
「モペッド」には違法タイプと脱法タイプがある
3月5日に閣議決定された道交法改正案は、自転車にも青切符(=行政処分)を導入するという画期的なものだったのだが、そこの部分は別機会にでも書かせていただくとして、今回は、「モペッド」について解説したい。
現在問題となっているのは、私が「電ジャラス自転車」と呼んでいる危険な乗り物のことだ。たいていの場合、自転車よりも太いタイヤで、ペダルを漕がずに(あるいは楽々と回して)道路を爆走しているが、ナンバープレートが付いていない。右手にスロットルがついているフル電動タイプ(違法)と、スロットルのないタイプ(脱法)があって、どちらにしても危険極まりないというのは、以前の原稿で書いたとおり。
【参照記事】ペダルを回さず猛スピードで走り去る…危険すぎる「電ジャラス自転車」を、なぜ警察は野放しにするのか
「自転車ではなく原付」と明確化された
今回の閣議決定では、この「ペダル付きバイク」通称「モペッド」について、あらためてその立ち位置を確認するという形になった。
ちまたに蔓延するモペッドは、あくまで「電動の原付バイク」であり、免許も必要、ナンバー登録も必要、税金と保険料を払って、歩道は不可、ヘルメットをかぶること、などが、あらためて明確化された形だ。
また、これらのモペッドについては、たとえ「モーターを止めた状態」であり、「ペダルで走行」していても、無免許やナンバープレートを付けずに走ることはアウトだということが念押しされた。
ハイパワーでハイスピード型の電ジャラス自転車は、電源を切っていても「自転車ではなく原付」だと認定されたのだ。