自分の考えを整理する時間こそ、脳を休める時間

「自分はいつも他人に流されながら生きている……」
「面倒だから、みんなと同じ流れに乗ってしまおう……」

こんなふうに考えて、何気ない日々を過ごしてしまっている人も多いのではないでしょうか。

ですが、こうした考え方というのは、脳を休める上での大きな阻害要因となることがあるので注意が必要です。

というのも、大きな成功を手にしているビジネスパーソンや、今の世に名を残してきた偉人というのは、常に自分を貫く確固たる価値観を持って行動し、自分らしく生きているからです。

そうした「ブレずに自分の価値観に基づいて行動できる」生き方こそが、ビジネスで成功する要因の1つであることは間違いありません。

こうした、自分の軸を持って生きている人は、「自分はこうあるべきだ」という、揺るがない確固たる価値観を持っています。それが、脳を休めることにも深く関係しているというのが、脳科学者としての私の見解です。

男の背中を追い奮起するビジネスマンのバックショット
写真=iStock.com/kieferpix
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過去の成功体験を振り返ってみる

では、こうした価値観が、一体どのように脳を休ませるということにつながっていくのでしょうか。

「自分を見つめ直し、自分の考え方を一度整理する」

このことこそが、脳を休めることになるのです。

しかし、自分を見つめ直し、自分の考え方を整理するというのは、いざ実行するとなると非常に難しいものです。

そんなとき、私がお勧めしているのが、自分の過去の成功体験を振り返ってみるということです。

成功の大小にかかわらず、自分の過去の成功体験を思い出して、それらの共通点を探し出してみてください。そこに、自分の確固たる価値観が浮かび上がってくるはずです。

そうすれば、「自分の強み」や「自分らしさ」に気づくことができるようになります。

そこから、自分の「ありたい姿」を想像して、それに適した行動基準や価値観を自分の軸にしていくのです。自分の軸を自己設定することで、他人に流されない生き方を実現できるというわけです。