伝えたいことばかり話すのはやめる

相手の条件を受け入れているわけでもなく、単に話を聴いているだけなのですが、満足してくれるのです。

そして、話を聴いてもらって満足した相手は、聴き手であるこちらに対して口に出さないまでも感謝の気持ちを持つようになり、あなたの言葉にも耳を傾けてくれるようになります。

ですから、「気弱ではいけない」とか「口下手なままでは飲み込まれる」なんて意気込んで、あなたの伝えたいことを唐突に話しはじめたりしないようにしてください(笑)。

無理にそんなことをすると、それは本来のあなたの姿ではないので、相手も違和感を覚えます。すると、交渉もどこかギクシャクしたやり取りになってしまい、もったいない、残念な結果になりかねません。

あなたが何かを強く伝えたいと思っていても、まずは言いたいことを脇に置いて、相手の話をしっかりと聴くようにしてみてください。

「まず、相手を満たすこと」が交渉における成功への近道になるのです。

会議で説明をするビジネスウーマンの手
写真=iStock.com/mapo
「まず、相手を満たすこと」が成功への近道(※写真はイメージです)

「準備」「対話」「クロージング」

ちょっと真面目な説明をさせてください。

交渉の過程は、大きく分けると「準備」「対話」「クロージング」の3つに分けることができます。

この3つのそれぞれの場面で、ほんの少し工夫を加えることで交渉の進め方や結果に大きな違いが出てくるんです。詳しい内容はそれぞれ別の章でお伝えしていきますが、ここではどのような工夫をするのかを簡単に説明していきます。