選ぶなら手数料が安いインデックスファンド

なぜ「インデックスファンド」がいいのかを以下の数項目で説明する。

まず、言葉の定義だが、インデックスファンドとは何らかの「指数」(株式の場合は「株価指数」)に連動するように運用される資金のことだ。個人が利用するのは、公募の投資信託かETF(上場型投資信託)などの投資信託だろう。原則として、指数を構成する銘柄と構成ウェイトをなぞるように運用される。一般に、販売手数料(近年はゼロが主流だ)や運用管理費用が安く設定されている。

一口に株価指数と言っても多くの種類があり、それらの中のいくつかが個人の運用に適している。例えば、S&P500やTOPIX(東証株価指数)はまあまあ運用に適するが、日経平均やニューヨークダウなどは中身の偏りが大きい。運用には適していない。

アクティブファンドへの投資は経済合理的ではない

一般に投資信託の特徴として、「小口の資金でも分散投資ができること」と「プロが運用してくれること」の2点が強調されることが多い。プロの運用者が投資する銘柄・ウェイト・タイミングなどを操作して株式市場の平均的なリターン以上のリターンを目指す投資信託のことを「アクティブファンド」と呼び、昔も今も数多くの商品が存在する。投資に関わる調査などに手間とコストが掛かるという理由で、手数料はインデックスファンドよりも高く設定されるのが普通だ。

しかし、人生でよくあるように、「目指す」ことと、「できる」こととは別だ。

現実は、

(1)アクティブファンドの平均的な運用成績は市場の平均や市場の平均を表すインデックスファンドに劣る
(2)運用が相対的にうまく行くアクティブファンドを「事前に」(投資する段階で)選ぶことができない

という2点が動かしがたい事実だ。

事実(1)と事実(2)とを組み合わせると、「アクティブファンドに投資することは経済合理的ではない」となる。

しかし、アクティブファンドを運用している会社は「当社のファンドは素晴らしい」と強調するし、金融機関などで投資信託を売る人は「いいアクティブファンドを選んで投資することができる」かのように話す。しかし、これらは、いずれも商売上そう言わざるを得ないだけのセールストークに過ぎない。信じるようでは愚かだ。

君への手紙の中で「一見偉そうな他の投資」と書いたものの代表がアクティブファンドだ。