お金の心配をせず、自由に気分よく生きていくためには、どうすればいいのか。2024年1月に65歳で亡くなった経済評論家・山崎元さんは、余命3カ月のときに、大学生の息子さんに向けてメッセージを残していた。最後の書き下ろし作品『経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて』(Gakken)より、一部を紹介する――。(第2回/全2回)
人工知能のコンセプト
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手数料とは「確実なマイナスのリターン」

投資は、リスク負担に見合うリターン(「リスクプレミアム」と呼ぶ)を集める行為だが、効果的に分散投資を行うと期待リターンを下げずに、リスクだけを低下させることができる。

判断を加えて集中投資する方が効率良く稼げるように思うかもしれない。しかし、人間の判断力などたかがしれている。やめておく方がいい。

ギャンブルでテラ銭(胴元の取る手数料)が重要であるのと同じく、運用でも手数料が極めて重要だ。

同種のリスクの金融商品の比較はまず手数料で行う。商品Aよりも手数料のより高い商品Bは、相場がいい時は儲けがより小さく、相場が悪い時は損がより大きいと予想されるので、商品Aよりも必ず劣ると評価すべきだ。こうした評価によって、運用商品の9割以上は「はじめから検討に値しない」ことが分かる。手数料が高いだけでもうダメなのだ。

「高価だけれども高性能な金融商品」は存在しない

売り買いの際に生じる手数料も、運用・管理の対価として取られる手数料(投資信託なら「運用管理手数料」又は「信託報酬」)も重要だ。

なお、運用商品の場合、「手数料は高いけれども、運用はうまい」と事前に言える「高価だけれども高性能な商品」のようなものは存在しない。

考えてみると、夢のない世界だな。