優秀な営業マンはどんな工夫をしているのか。経営コンサルタントの河田真誠さんは「まずは相手の悩みを引き出すといい。『悩みなんてなさそうですね?』と問いかければ、多くの人が『いやいや、悩みばかりだよ』と答えてくれる。そこから相手の課題と理想を聞き出せれば、ビジネスチャンスにつなげることができる」という――。(第2回)
※本稿は、河田真誠『売らずに売れる技術』(ワン・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
悩みを引き出すための“効果的な問いかけ”とは
話せる関係になったら、タイミングをみて、商談(あなたの仕事につながる話)もしていきましょう。ただ、このときも「よし売るぞ!」という気持ちにならないほうがいいです。まずは「相手を知る」ことが大切です。
まず、相手から聞き出したいのは、「今、どんな悩みや問題があるのか?」です。僕はこれを聞き出すために、「今、悩みなんてなさそうですね?」と問いかけることがあります。こう問いかけると、多くの人が「いやいや、悩みばかりだよ」と答えてくれるんですね。
そこで、「そうなんですね。具体的にどんな悩みがあるんですか?」と問いかけると、相手は自分の悩みを語ってくれます。相手は、問いかけられて語ることで、自分に「悩み(問題)」があることに気づいていくのです。
先日、ある社長と雑談をしていたときのことです。「◯◯さんは、最近、仕事がうまくいっていそうですよね。悩みなんてないでしょう?」と問いかけると、「いやいや、売り上げはいいんだけど、社員がね……。みんな業務に追われていて、疲れている感じがするし、未来のことを考える時間もないし、人間関係も少しギクシャクしている感じがあるんだよね。でも、売り上げがいいから、つい後回しになっちゃって……。今はいいけど、数年後が少し心配だな」と答えてくれました。
これで、彼は自分の中に「悩み(問題)」があったことに気づいたのです。