しっかり値上げをして、そこにクーポンが適用され、事業者がよりよいサービスにトライすればいいのです。それが気に食わない人は、その宿泊施設に泊まらなければいいだけ。客には常に泊まらない権利があるのですから。
客に受け入れられないなら、事業者がまた別のアプローチを考えればいいのです。こういう無数の取引がマーケットで行われることで、はじめて「神の見えざる手」は働くのです。
安売りを強いる「応援割」は、被災地復興につながらない
観光庁は5日の衆院予算委員会で、「便乗値上げ」を監視する方針を示しました。新潟、富山、石川、福井の被災4県に、高額な価格設定が明らかな場合は報告を求め、場合によっては事業者の登録抹消も辞さない姿勢です。
なぜ国が主導して事業者に安売りを義務付け、ペナルティーまでちらつかせるのでしょうか。なぜこのようなおかしな話がまかり通るのか、全く私には理解できません。
宿泊費は値引きなし、お土産クーポンつけるだけの支援制度が最善だと私は思います。実際、熊本県上天草市では市内のホテル・旅館などに宿泊した観光客へ、市内の飲食店やお土産店などで使えるクーポン券を配布しました。変なダンピングにならず、市内の幅広い宿泊客がお金を使う動機になりました。
観光庁や政治家には、北陸の宿の発展、中長期的な高付加価値化の実現につながるような取り組みを期待したいと思います。