インフレマインドの広がりが日経平均を押し上げる

また来年の物価について「上がる」と回答した人の割合が79.3%と、デフレマインドが後退し、インフレマインドが広がっていることがわかります。

円安は輸出企業の業績を押し上げます。ただ、日本経済全体を見ると、円安は輸入物価を押し上げるため、家計の購買力が落ち、経済に悪影響を及ぼす面もあります。

インフレマインドの広がりは、円安による物価高というデメリットの影響がじわじわ表れている証拠だと考えられます。

ただインフレマインドが広がっていることは、株などのリスク資産にとっては追い風となります。日経平均が年始より大きく上昇しているのを見れば一目瞭然でしょう。

本当の株高はまだ起きていない

ただ、これが本格的な株高なのかと言われると疑問が残ります。

日経平均が上昇している一方、「グロース250(旧マザーズ指数)」はほぼ横ばい状態を続けています。

その結果、日経平均とグロース250のパフォーマンスの差が拡大しています。これほど差が開くのはライブドアショック以来の出来事です。

【図表1】日経平均とグロース250の比較

またドル建ての日経平均を見ると、円建てほど上昇していないことが分かります。

つまり、今の株高は円安によるところが大きく、本格的な株価上昇トレンドはまだ起きていないと考えられます。

【図表2】米ドル建ての日経平均