本来「収益事業」には課税すべき

本来は政治団体であっても、「収益事業」を営んでいれば、法人税等が課せられる。

政治家のパーティーは事実上の収益事業であり、これに税金が課されないのは、本来はおかしい。

しかし税務当局は、これまで政治家のパーティー券収入を、申告漏れで指摘したことはない。世間一般の常識から見れば非常におかしな話である。

この点でも税務当局は、政治家に遠慮をしているのではないか。

裏金で飲み食いしても非課税

パーティー券収入の非課税の是非は置いておいても、今回判明した「キックバックされたお金」は完全に裏金化しており、帳簿には載せられていない。

つまりは、収入をごまかしていたわけであり、これについて税務当局はなぜ脱税で摘発しないのか、という疑問は当然生じる。

が、ここにも大きなハードルがある。政治活動費というものは非課税とされており、しかも非常に広い範囲で認められる傾向にある。

極端な話、裏金を飲み食いに使っていても、政治活動費として使ったと主張すれば課税されない可能性がある。

ボトルクーラーに入れたシャンパンを持つ人
写真=iStock.com/miniseries
裏金を飲み食いに使っていても課税されない可能性(※写真はイメージです)

また何に使ったかわからない場合でも、政治家が「政治活動に使った」と言い張れば、それが通ってしまいかねない。

一般の企業などではあり得ないことだが、政治家の税金はそのくらい緩いのである。

また裏金を使わずプールしていた場合でも、政治団体名で預貯金などをしていたのであれば、「政治資金としてプールしていた」ということになり、政治家本人には課税されず、政治団体にも課税されないとなる可能性も高い。

個人名義で貯蓄していても、「これは政治団体が管理している金であり、政治家が個人で管理しているものではない」という言い逃れが認められる可能性もある。