※本稿は、内藤誼人『科学的に「続ける」方法 「習慣化」できる人だけがうまくいく。』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。
自分の行動を記録につけてみる
自分の行動や努力の結果をきちんと記録として残しておくことは大切です。なぜなら、その記録を見れば、「ずいぶん、自分も頑張っているのだな」ということが実感でき、さらに頑張ろうというやる気が出るからです。
アメリカにあるハーバード大学のテレサ・アマビルは、作業員の日記を分析し、「毎日、ほんの少しでも進歩している」という気持ちが、人を意欲的にさせることを突き止めました。
自分の成果を目に見える形にしておくことは、習慣を身につけるときにものすごく役に立つ方法です。
ただし、記録をつけるときにはちょっとしたコツもあります。それは、累積のグラフをつけることです。累積のグラフというのは、前の記録に、新しい記録をどんどん積み重ねていくグラフのことです。累積のグラフは、横ばいということはあっても、下がることは絶対にありません。いつでも右肩上がりになっていくグラフなのです。
そして右肩上がりのグラフを見ていると、何となく自分も頑張っているように感じられますので、モチベーションを高めるのに都合がいいグラフなのです。
たとえば、営業の仕事をしていて、1週間のお客さまへの訪問回数の記録をつけたとしましょう。普通の人は、図表1のような感じで記録をつけるのではないかと思います。
正確な記録ではあるものの、やる気もあまり出ません。そこで、前日の数値に、次の日の数値をどんどん累積させていくデータにすると、図表2のようになります。
どうでしょうか。「いやあ、今週は頑張ったなあ」ということが実感できます。累積合計のグラフのほうが、見ていて楽しくなるはずです。ほんのちょっとしたコツですので、覚えておくと習慣を身につけたいときにとても役立つと思います。