まずは社内での可能性を探れ
職探しの第一歩は、自分は何が得意で、何がしたいのかを徹底的に分析することだと、フェルナンデス=アラオスは言う。自分が次の仕事に何を求めるのかを明確にしてから、それを市場の状況と照らし合わせよう。市場には自分が求めている特徴を持つ仕事があるだろうか。自分は適切な資格を備えているだろうか。同じ分野にいる友人や転職コンサルタントなど、信頼できる助言者に相談して、自己評価を手助けしてもらおう。
自分が何を求めているかがわかったら、まず社内でそれを探してみよう。「私の経験では、今の会社で自分の仕事の幅やキャリアを広げる努力を十分せずに、すぐによそに目を向ける人が多すぎる」と、フェルナンデス=アラオスは言う。今の仕事の職務範囲を変えるとか、別のチームに移るとか、特別プロジェクトを引き受けるといった方法で、社内で自分のニーズを満たすことができるかもしれない。そうした機会が限られている場合やどうしても今の会社から飛び出したい場合は、外に目を向けよう。
周りに相談していいケース駄目なケース
多くの場合、転職活動は内密にしておいたほうがいい。特に、上司との関係がぎくしゃくしている場合や、同僚からの嫌がらせが心配な場合はそうだ。また、転職先が見つからなくて恥ずかしい思いをするのは避けたい場合。こういったケースにおいては、転職先を探していることを今の職場に知られないようにするのが賢明だ。「内緒で職探しをしている場合には、ソーシャルメディアでバレないようにするとか、職場の電子メールは使わないといった注意が必要だ」と、クラマンは言う。「新しい仕事を探していることをみんなに知られたら、煩わしい事態になるおそれがある」と、フェルナンデス=アラオスは言う。
だが、信頼できる同僚がいる場合は、打ち明けることを検討してみよう。誰かに打ち明けることは、職探しの意欲を高め、行動を起こす助けになることがある。「人に打ち明けることで、新しい機会を本当にちゃんと探そうという気になるものだ」と、フェルナンデス=アラオスは言う。人に打ち明けることは人脈づくり(職探しを成功させるためのカギ)にも役立つ。今の会社と関係のない人に、新しい仕事を探しているとそれとなく話すことも助けになる。「今のポジションでうまくやっていますが、新しいことにチャレンジするという選択肢を捨てたことはありません」という類のことを言うのである。追いつめられているような言動をしてはならない。「『ここから逃げ出したくてたまらない』などとは、決して言ってはならない。どこかから逃げ出したくてたまらない人間を雇いたいと思う者はいない」と、クラマンは言う。