行政はいったい何をしているのか?

さて、銀座カラーの事例にとどまらず、前述したようにこれまでも多くの脱毛サロンが破綻しています。またNOVA、てるみくらぶ、はれのひといった別業態でも同様の前金破綻が起きているわけですが、行政はいったい何をしているのでしょうか?

これらの社会的な事件となる破綻劇が起きるたびに、行政はそれなりに振り返りをし、対策を検討しています。にもかかわらず歴史は繰り返しているわけですが、なぜ繰り返して起きるかというと、多くのケースでは管轄官庁の縦割りのスキマで問題が起きる傾向があります。

その反省の結果、大きな転機となったのが2009年の消費者庁の発足です。発足のそもそもの経緯はこの記事で取り上げている前金ビジネスの問題よりも、こんにゃくゼリー窒息事故や湯沸かし器死亡事故など製造部責任法の整備の遅れと縦割り行政の問題で、消費者問題全般への行政対応が後手後手にまわっていることが社会問題になっていたことが大きいと思います。

ただ2007年に起きたNOVAの破綻事件はその直後に発足した消費者庁にとって大きな課題のひとつになったことは間違いありません。

「脱毛」だけでも業法が多く、監督官庁が定まらない

消費者庁の発足によって消費者契約法や無限連鎖講防止法の所管は消費者庁に移管されました。これを契機に詐欺的な広告や、ねずみ講的な会員ネットワークビジネスは減少していきます。

しかしながら課題も残されています。例えば貸金業法、割賦販売法、宅建業法、旅行業法などについては消費者庁は処分について勧告権を持つのみで、登録・免許、検査、処分は各省庁が行います。この残課題のために、てるみくらぶ(旅行業法)、はれのひ(割賦販売法)などの社会問題が定期的に起きるのだとも考えられます。

そして脱毛サロンについては業法が多岐にわたるうえに監督官庁が定まらずトラブルが続いているというのが観察される事実です。

脱毛サロンで施術中
写真=iStock.com/dimid_86
※写真はイメージです

例えば銀座カラーの場合はサロン脱毛が主力サービスですが、提携先のじぶんクリニックでは医療脱毛サービスが受けられます。後者は医師法によって医師ないしは看護師立ち合いのもとでないと施術できません。法律と管轄が違うので別のクリニックでサービスを受けることになっているのです。