日本から家族を呼び寄せる際などに支払われる「救援者費用」もあると安心。このほか、ホテルで風呂の水をあふれさせたときなどに役立つ「賠償責任」は、1億円の補償でも保険料は10円程度なので加入しておこう。盗難時に補償してくれる「携行品損害」は保険料が高め。現金は対象外なので高価なものを持っていかない場合は、安めの補償でOKだろう。生命保険に入っているなら死亡補償はなくてもいい。

こうして補償を絞り込み、前述の内容でフリープラン(治療費用1000万円、救援者費用1000万円、賠償責任1億円、携行品損害30万円)を選び、ネットで加入した場合、保険料は2490円にまで下げられる。

出発前に加入しておけば家を出たときから補償開始となる。空港に行く間に事故や盗難に遭う可能性を考えればこれが一番安心だ。ただ、かけ忘れた場合は空港の窓口でも加入できる。何も言わなければセットプランを勧められることがほとんどだが、「バラがけで」と伝えるとフリープランを見せてくれる。

「クレジットカードに保険がついているから大丈夫」という人も多いだろう。しかし、カードによって補償内容やカバーされる範囲がマチマチなのだ。最も大切な治療費用補償は上限に50万~500万円程度と幅があり、足りなくなる恐れもある。また、キャッシュレスサービスがついていないカードもあり、この場合、治療費を一度自分で立て替えなくてはならなくなる。ほかにも、そのカードで旅行代金を決済していないと保険が利用できないケースなどもあるので、カード会社に確認しておくことが重要だ。

会社の異なるカードを複数持っている場合、それぞれの治療費用の補償額を合算できる。それでも十分でないなら、旅行保険に加入したほうがいいだろう。

なお、イザというときに現地でサービスを受けようとしても、連絡先がわからないと途方にくれるだけ。必ず保険証券を携行することが大切だ。ネット加入なら、契約確認書を印刷したものでいい。また、カード付帯保険の場合は、連絡先を確認し、メモしておくのを忘れずに。

(構成=有山典子)
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