お金持ちの情報収集手段

自宅の位置で短縮できる通勤時間と同様に、自分の頭の中にインプットされる知識にも、わかりやすい値札は付いていません。

しかし、繰り返しますがそういう“直接お金で買えないもの”こそが、人生を有利に、安全に生きていくには決定的に重要であることを、お金持ちはよく知っています。

そのため、新しい知識や情報、あるいは最近はやりの「リスキリング」のように、新しい技能やノウハウを身に付けられたり、友人・知人との会話に利用できたりする情報源には、惜しみなくお金を出すのも彼らの特徴です。

そうした情報をいち早く入手するのに手間を惜しむこともありません。ちなみに、お金持ちの方にオススメの情報収集手段を聞くと、ほぼ全員が一致して「本がよい」と答えます。

もちろん人によって違いがありますが、毎月何冊も本を買っている読書家のお金持ちは、実際に非常に多いと感じています。

本を読んで勉強をする人
写真=iStock.com/Kriangsak Koopattanakij
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アメリカのBusiness Management degreeという雑誌に掲載された、読書量を調べた研究データによると、アメリカ人の富裕層のうちおよそ88%は、1日30分以上はビジネス書などの本を読んでいるとのこと。日本も同じ先進国ですから大勢は変わらないでしょう。

お金持ちのほうが本を多く読んでいるのは、一定の根拠があるという話です。

マイクロソフトの元CEOであるビル・ゲイツ氏は大の読書家として知られています。夏休み前や年末に、自身が読んだオススメ本を投資家に紹介することが恒例となっており、毎年注目を集めています。

なぜテレビやネットではだめなのか

お金持ちの方々に言わせると、「テレビは原則として無料で視聴できるけれど、世間ですでにはやっていることを後追いする媒体だから情報鮮度が悪く、時間効率も悪いため最近は視聴時間が減った。またネットの情報は全体像を部分的に切り取ったものばかりで、必ずしも信頼が置けない。それに比べると、本は出版社が編集しているためある程度は信頼できるし、1冊読むことでその分野の知識を体系的にインプットできるのでよい」とのことです。

大変好奇心が旺盛なある知り合いのお金持ちは、「本は発売された時点での世間のニーズやトレンドを示していることが多いから、情報のインプット源としては最適だよ」とも言っていました。

お金持ちの方は、そうした書籍からの情報を少しでも早く手に入れるため、本を買う際には発売日前にネットで予約注文を入れ、発売当日に届くようにしていることもよくあります。

本を発売日に買うことで、最新かつ信頼性の高い情報をいち早く手に入れられますし、その最新情報を誰かに話すことで話のネタにすることもできるからです。