あえてデートがうまくいかない理由を探していた
ゾラによると、パジャマでデートに出かけても最高の気分じゃないことは自覚していたし、そんな装いを選んだ自分を正当化しようと、ちょっぴり身構えていることにも気づいていた。「男はいつだって女に完璧でいてほしいと思ってる。そんなのもううんざり! これも家父長制の証拠の一つよ!」と。家を出たときはパワーに満ちていたのに、デートの場所に着く頃には、けんか腰になっていた。
この行動をさらに深く掘り下げていくと、ゾラがハッと気づく瞬間が訪れた。
「信じられない! 私はいつもデートがうまくいかないことを心配してたんだ。だから、始まる前に、うまくいかなくなる方法を探してたのよ!」
パジャマ姿でデートする人たちがみんな、セルフ・サボタージュをしているとは限らないし、服のチョイスで誰かを批判するつもりなんて毛頭ない。
ただ、私はゾラをよく知っているから、これが「らしくない」行動で、デート中の彼女のサボタージュのパターンと一致していることがわかったのだ。この話をしたのは、安全を求める行動がこっそり忍び込んでいる場合がある、と伝えるためだ。ヒツジの皮(もしくはパジャマ)をかぶったオオカミではないけれど、自分の思い込みや恐れに気づいていないと、忍び込んだサボタージュをうっかり見逃しかねない。
脱出のヒント
・自分が自分のパターンに対して思いのほか大きな影響力を持っていることに徹底的に向き合ってはじめて、自分でこしらえた障害物を特定し、それを変えることができる。
・サボタージュとは思えない考えをあれこれ検討しているうちに、実はサボタージュだった、とわかることもある。これは、公平な判断ができる友人やセラピストと一緒に行ったほうが、ラクに進むだろう。