「いえいえ」は二流、一流は「ありがとう」と返す

次に二流。二流は謙遜しながら逆に意識してしまい力む。

まず、褒められたときに、「いえいえ」と謙遜するのは、望ましくない。

謙遜は美徳でもあるが、褒めたほうからすれば、せっかく心動かされて褒めたのに、「いえいえ」と否定されてしまうのだ。少し残念な気がしてしまう。

普段褒められ慣れていない人が急に褒められると、どうしていいか分からずに、褒め言葉を素直に受け取れない。

そこでつい「いえいえ、私なんか……」と言ってしまうのだが、そう言いながらも、今度は褒められたことで変に意識してしまい、力んでしまったりする。自意識過剰になってしまうのだ。

最後に一流。一流は、褒められると素直に受け入れ、良いところをさらに伸ばそうと努力する。

褒め言葉に対して「ありがとうございます」と、素直に受け止め、そこに嫌味も驕りも全く感じさせない。

一流は、人の好意や褒め言葉を、素直に「受け取る」ことができる。調子に乗ったり、変に卑下することなく、自分の強みを更に伸ばしてゆくことができるのだ。

「言われやすい人」がどんどん伸びていく

三流も一流も、普段においてはさほど変わらない。けれども、叱られたり、褒められたりした時にその差が出る。特に褒められた時の反応には人間性が出てしまう。

一流は、褒められても、叱られても、態度に変わりはない。不貞腐れたり、偉ぶったりすることなく常に、「ありがとうございます」と、ありのままの評価をありのままに受け止めることができる。

自分自身が捉えている自分像と、他人から評価されている自分像を常に客観的に見て、調整することに長けているからだ。

ブッダは弟子たちに「言われやすい人になりなさい」と説いたというが、まさに一流は、叱られやすいし褒められやすい。だからこそ、どんどん注意され、どんどん褒められ、そこにいちいち引っ掛かりがないから、どんどん伸びていくのだ。