地味で窮屈そうな服装をしているのは50代がほとんど

服装も変えてみましょう。いまは職場でもダークスーツにネクタイという時代ではないのですから、思い切ったファッションでも案外、「お、大胆だな」と注目されるかもしれません。

そういった意識すればすぐにできそうなことから変化を持ち込んでみると、自分の仕事や職場に退屈を感じることだけはなくなってくるはずです。「今日は何を試してみるかな」と考えるだけで、うんざりしている仕事にも軽い気分で向き合えるようになります。

ネクタイ不要の部署や社風なら、夏は涼しい半袖シャツやポロシャツ、それも明るい色を選んでも問題ありません。アロハシャツだって咎められることはないはずです。

首回りが解放的になると気分も解放的になります。実際、オフィス街を昼休みの時間に歩いてみると「ここは観光地かな」とか「今日は休みの会社が多いのかな」と思うときがあります。それくらいカジュアルな服装のビジネスパーソンが歩道やカフェに溢れています。

そういう中で、相変わらず地味な色のパンツや靴を履き、首の窮屈そうな服装をしているのはほとんどが50代のビジネスマンです。業種によっては若い社長がTシャツ一枚なのに、年上の部下がスーツ姿だったりします。遠慮の要らない世代のはずなのに、なぜか50代は縮こまった印象すら与えます。

アロハシャツで出勤するだけで“超越した存在”になれる

そこでぜひ心に留めて頂きたいのは、もう誰にも遠慮のいらない世代なんだということです。入社以来、十分に貢献してきたし薄給にも甘んじてきました。管理職に就いていようがいまいが、バブル以降の不況にあって会社を支えてきたのが50代です。若い社員だって何となく煙たがっているのは、50代が気難しそうに仕事しているからかもしれません。

それがアロハシャツ姿で出勤してくれば「おや? イメチェンかな」となります。

あなたはただニコニコしていつもどうりに仕事を片づけるだけでいいのです。職場の中で超越した存在になってみる。それくらいの変化を持ち込む気持ちになってみましょう。

和田秀樹『50歳からの脳老化を防ぐ脱マンネリ思考』(マガジンハウス新書)
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おそらく、いま例に挙げたファッションなら、職場に帰属意識を持たない世代にとってはごくふつうのファッションだと思います。50代が「やり過ぎかな」と思う程度のことはありふれた行動でしかないのです。自分では「派手過ぎないか」とか「目立ち過ぎるかな」とか「これはやり過ぎだろう」と思うようなことでも、自分が作った職場のルールに縛られているだけかもしれません。何せ入社以来30年間、生き延びるのに必死でしたから、無意識のうちに自分にたくさんのルールを課している可能性があるのです。

定年まであと10年、ここでその殻を打ち破って伸び伸びと、楽しく過ごしてください。そのためにはまず変化をどんどん持ち込んでみることです。この10年で気持ちの若々しさや意欲すら失ってしまったら、ゴールはできてもそこからの再スタートは難しくなってしまいます。

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