「番官僚」が政治家をコントロールしている
【石橋】財務省は、NHKとよく似ていますね。将来伸びそうな政治家がいると、NHKは特定の記者を貼り付けます。いわゆる番記者です。
番記者は新聞や民放も付けますが、担当する政治家は頻繁に変わります。でもNHKは基本的に同じ政治家に同じ記者が付くんです。
安倍さんの番記者だった岩田明子さんを見てわかるように、NHKはずっと同じ記者が担当し、政治家の出世とともに記者も出世する。
財務省も、特定の政治家に特定の官僚を貼り付け、「番官僚」にします。この番官僚はNHKと同様に基本的に変わることはなく、その政治家の出世に合わせて番官僚も出世します。
逆に、その政治家が失脚すると、番官僚も省内での出世の道が閉ざされる。だから、番官僚として担当の政治家を必死で支えます。
財務官僚は「官僚のなかの官僚」などと呼ばれていますから、傲岸不遜なイメージが強いと思います。
しかしながら、政治家の前では異様なほど腰が低い。もう、ひたすら腰を低くして「御用聞き」みたいです。
【田村】なるほど。普段はふんぞり返っているのに、政治家の前では、まるで違う態度になる。
【石橋】言い方は悪いですが、そうやって政治家を絡め取っていくわけです。