なぜ岸田首相は増税策ばかり進めているのか。経済アナリストの森永卓郎さんは「岸田首相の経済対策を仕切っているのは、財務省出身の官邸官僚。財務省に『洗脳』されてしまい、増税しか方法がないと思いこまされているのだろう」という――。

「増税メガネ」「増税クソメガネ」から「増税クソレーシック」へ

「X(旧Twitter)」でトレンド入りして以降、岸田首相のあだ名は「増税メガネ」で定着したようだ。

「増税クソメガネ」、さらには「増税クソレーシック」というあだ名まで飛び出している。

岸田首相のあだ名は「増税メガネ」で定着したようだ
写真=iStock.com/Nastco
岸田首相のあだ名は「増税メガネ」で定着したようだ(※写真はイメージです)

報道によると、岸田首相本人は「まだ何も決まってないのに『増税だ』と言われるのはおかしいだろ!」といらだちを見せているという。

批判がこたえたのか岸田首相は9月25日に記者会見を行い、「経済対策の5本柱」について説明、10月下旬からの臨時国会において補正予算の成立を目指す考えを示した。

5本の柱とは「物価高対策」「賃上げ」「国内投資促進」「人口減少対策」「国土強靭化きょうじんか」だが、どこにも「減税」の文字はない。

「金融所得課税」と「分配」はどこへ行ったのか

そもそも、岸田政権の発足当初は「新しい資本主義」を掲げ、「金融所得に課税するなど、富裕層の負担を増やし、分配する」と言っていた。

それがいまや「資産運用特区を作り、資産運用立国を目指す」と言っている。手のひらを返すとはこのことで、当初とまったく異なる政策を推し進めている。

前述の経済対策は官邸の官僚が書いたと言われているが、岸田政権になって以来、官邸官僚の多くが財務省出身者で占められている。

よって、岸田政権が増税の方向に突き進んでいるのは当然というほかない。