料金は一般よりもやや高い2900円

6 フィンランドサウナ
フィンランドから取り寄せた木材の宝石「ケロ材」(フィンランド産の立ち枯れ材で欧州アカマツが多い)を使った本格サウナ。セルフロウリュ、ヴィヒタ(白樺の葉)で全身を叩くこともできる。

わたしも入ったけれど、同室者に断ってから、熱したサウナストーンに水をかけるセルフロウリュの人がいた。同店には熟練のサウナマニアたちが来ている。

7 ハマーム(岩盤浴)
ハマームはトルコ式の岩盤浴でスチームサウナ。浴室内はすべて大理石でできている。ドライサウナが苦手な人にはありがたい施設だ。素っ裸でわたしが入った時は円形の大理石舞台の上で、おじさんふたりが豊洲市場のマグロ状態で寝ていた。

8 塩サウナ
床一面の山盛りの塩に圧倒される。まるで雪景色のようだ。「塩を体にすり込むことで、新陳代謝の促進やデトックス効果のほか、お肌の引き締めとすべすべ効果が期待できます」(同館のホームページより)。塩サウナに入っていると、たいていの人はお腹に大量の塩をすり込んでいる。みるみるお腹が真っ赤になっていく。

8つもの温浴施設があるので、メインサウナが混雑していても、どこかを利用することができる。入浴料金はフリータイムで2900円。一般のそれよりもやや高い。

業界で唯一「24時間ロウリュ」をやっていた

だが、水道水でなく汲み上げた源泉であること、8つの温浴施設を有していること、細部にわたる豊富なアメニティを取り揃えており手ぶらでも満足して利用できること、清潔さなどを考え合わせると、決して高くはない。いくら安くても、床が濡れていたり、設備が老朽化していたりすると、退館したくなるのが人情というもの。

サウナを選ぶ際に重要なのは、何はなくとも「清潔」だ。

同店が日本一と称されるのは設備、清潔さもさることながら、働く人たちの情熱が熱波のように伝わってくることだろう。その代表が前田を始めとする熱波師たちである。

前田は「24時間、深夜でも早朝でもロウリュをやっていたのは業界では私たちだけです。あれで鍛えられました」と胸を張る。

前田は入店して4年目。今はマネージャーだ。

元々は音響効果の仕事をしていたのだが、徹夜の多い仕事で疲弊していた。疲れた身体を休めるために温浴施設やスーパー銭湯に通っているうちにサウナに目覚め、熱波師を目指すようになった。自身で熱波師検定の資格を取得し、神戸サウナ&スパに入社。現在はマネージャー業務にあたりながら新人熱波師の研修を行っている。

熱波師の前田大志さん。音響の仕事から転身し、今では同店のマネージャーを務める
筆者提供
熱波師の前田大志さん。音響の仕事から転身し、今では同店のマネージャーを務める