無調整豆乳を飲みやすくしたものが調整豆乳

市販の豆乳には、大豆固形分(ほぼたんぱく質と思ってよい)の含有割合によって「豆乳(無調整豆乳)」「調製豆乳」「豆乳飲料」の3種類があります。

「豆乳」は原料に大豆以外のものを使用せずに、大豆固形分が8%以上のものです。「調製豆乳」は豆乳に砂糖などの調味料を加えて飲みやすくしたもので、大豆固形分は6%以上必要です。「豆乳飲料」はたんぱく質が少なく、「果汁入り」に分類されるものもあります。薄いとドロドロ感がなくなるので、粘着剤(「糊料こりょう」と表記)を加えてあることもあります。糖を加えて甘くしてあるものも多いようです。

豆乳を温めると表面に膜が張ります。この膜が「湯葉」です。また、豆乳にニガリ(塩化マグネシウム)を加えると豆腐ができます。もちろん、市販の豆乳からでも、湯葉や豆腐をつくることができます。

大豆と豆乳
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豆乳と牛乳、どちらが体にいいのか

「牛乳は体に悪く、豆乳は体にいい」と短絡するのは間違いです。どちらも一長一短があります。豆乳と牛乳の含有成分の大きな違いは、たんぱく質の種類が異なることはもちろんですが、豆乳にはイソフラボンと鉄分が多く含まれており、牛乳にはカルシウムとビタミンAが多く含まれていることです。

イソフラボンは女性ホルモンに似た作用を示す成分です。女性ホルモンですから、その摂取には賛否両論があります。ただし、「否」の意見は、豆乳ではなくイソフラボンサプリメントに対してのものも含まれており、イソフラボン含有量がケタ違いに多いサプリメントの話を、豆乳や豆腐、納豆、味噌にそのまま適用するのはよくないと私は思っています。正しいかどうかは別にして、思春期の男子や妊娠中の女性が毎日飲むなら、1日200mlくらいにしておくのが無難という意見はあります。いずれにしろ、実際のところは、たまに飲む分にはまったく気にしなくて大丈夫でしょう。

「否」の意見ばかり取り上げてしまいましたが、豆乳は女性ホルモンが不足気味の女性にとって非常に適した飲み物であることは間違いありません。女性は豆乳をどんどん飲みましょう。