憧れの家具を置いたはずが居心地の悪い部屋に…

「窓が開けにくい、動きにくいなど部屋が使いづらい」(東京都 50代男性 会社員)

「憧れていた家具を置いたら狭くなり、なにをするにも動きにくく、くつろげない」(東京都 40代女性 会社員)

多くの方が誤解しているのですが、家具は買っておけばよいというものではありません。家具の大きさやレイアウトは、じつは間取りと密接に関係しているのです。つまり間取りには窓や通路・エアコンなどの建築設備などの「制約」がありますので、そういった条件を考えて家具を配置しないと、部屋は狭く動きにくくなったり、エアコンの風が気になったり、居心地が悪い部屋になります。こういったミスを減らすには間取りを作成する時点から、「どんな家具を置いて生活したいか」を具体的にイメージすることが大切です。例えばソファは幅2m50cmくらいのカウチソファにして、ダイニングテーブルは大きめの6人掛けを置きたいのであれば、サイズや形を間取りの中にあらかじめ配置することが大切です。もう少し具体的に考えてみましょう。

下の図表3は当事務所にいらしたお客様のリビングの間取りです。リビングには大きめの窓があり、その窓のそばに図表4のように大きなカウチソファを置きたいという当初からの希望がありました。

リビングの間取り
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カウチソファを置いたリビング
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置きたい家具に合わせて間取りを考えるのが正解

しかし、実際にカウチソファを置くと窓への動線がふさがれるため、カウチソファにのらないと窓を開閉できません。ふかふかしたソファにのるという行為は面倒な為、だんだん窓を開けることがおっくうになるという不便が生じます。そのため、図表5のようにカウチソファをやめて小さめのソファにする方法や、図表6のようにカウチソファはそのままで、別の場所にあらたに窓を設けるなどの工夫をしなければ残念な住まいになってしまうのです。

小さめのソファを置いたリビング
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窓を増やしたリビング
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このように家具選びと間取りは密接に関係しているため、先に置きたい家具を考え、それから間取りをつくっていくのが家づくりの正解なのです。この家具選びは面倒ですが、置きたい家具のイメージが具体的であればあるほど、結果として間取りづくりや壁紙などの内装イメージもスムーズに進み、トータルでコーディネートができるため、住まいづくりが満足いくものになります。実際に優秀な建築家は、家を設計する前に施主と家具屋さん巡りをするそうですよ。

家は3回建てて、初めて満足いくものができると言われています。それほど住まいづくりは、難しいものです。今回あまりWEBには載っていないリアルな失敗事例をご紹介しました。ぜひ、ご自宅の満足いく住まいづくりにお役立てください。

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