隣家の換気扇や排気口の位置は必ず現地で確認

「隣家のキッチンレンジフードの排気の位置が、わが家のリビング窓に面しているため、天気の良い日も窓を閉めていないとご飯のにおいがリビングを直撃して気になる」(東京都 40代男性 会社員)

窓の位置など建物の配置の問題も、後から変更がきかないため、重大なミスにつながります。窓については方位、「隣家からの視線」や「道路からの視線」は気にして間取りづくりを進めるのですが、臭いなどについてはノーマークなご家庭も多いのです。とくに臭いに悩まされるのが、換気扇が大きい隣家の「料理のにおい」と「入浴時のにおい」。自宅のお料理や自分のお風呂上がりの臭いは気にならないのに、隣の住人のものが自宅で臭うとなると、やはり嫌なものです。

隣家と自宅の配置図
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こういったミスが起こる原因は「現地での確認不足」。とくに隣家の浴室からの排気やキッチンからの排気が自宅の敷地のどこにあるのかは必ず確認して、その位置の近くにリビングや個室などの窓や給気口が設置しないように間取りを工夫して設計してもらいましょう(図表1参照)。とくに都心の住宅密集地では、隣家のキッチンや浴室の排気位置が、自宅の個室窓や給気口と接近することが多いので要注意です。

住宅密集地は隣家からの「共振」現象に注意

「誰もいないはずなのに足音がする。心霊現象かと思ったら隣家の階段を上る音だった」(東京都 40代男性 会社員)
階段
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オカルト話はいつの時代でも人気ですが、本当に自宅で起きた場合はどうでしょう? くつろいでいるときや静かに読書を楽しんでいるときなどに、誰かの足音が聞こえてくるのは嫌ですよね。足音が聞こえる原因の多くの場合が「振動による共振」といわれています。近年では二重サッシの窓や壁の断熱化により、直接、くしゃみや会話・TVの音など、隣家の生活音が聞こえてくることは少なくなりました。しかし住宅密集地では建物自体が近いため、隣家の振動を自宅で受けてしまう「共振」現象がまれに起きてしまいます。

とくに階段の昇降などからくる音は低周波のため響きやすく、窓が二重サッシだったとしても、振動として外部から伝わるため、対策が難しいのです。「共振」現象は、隣家との距離が近いと起きやすいといわれていますが、具体的に何m以内だと起きる、どんな建材だと起きやすいなど分かっていることが少ないため予防策が難しく、隣家から5mくらい離れていた場合でも共振現象が起きたケースもあります。

建築材料や距離・間取りなど様々な悪条件がそろって起こることが多い「共振」現象。確実に防ぐ方法はなかなかありません。しかし、とくに低周波の「足音」が問題になりやすいことから、隣家の間取りを推測し、廊下や階段など「足音」が発生する場所がなるべくリビングダイニングや寝室と近くならないよう、間取りや敷地の配置を工夫することが大切です。