住まいづくりで後戻りできない致命的なミスを防ぐにはどうしたらいいか。1級建築士のしかまのりこさんは「大きな買い物だからこそ、住まいづくりは慎重に慎重を期すもの。それでも多くの人が、建てる前には気が付かない盲点がある」という――。
間取り図と家の模型
写真=iStock.com/flyingv43
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後戻りできない住まいづくりの致命的なミス

住まいは人生で最大のお買い物。致命的なミスは避けたいですよね? そのため、事前にWEBでハウスメーカー選びから予算などいろいろ調べあげて慎重に打ち合わせを進める方が多いと思います。

しかし、いくら慎重に住まいづくりを進めても起きてしまうのが、後戻りできない致命的なミス。

そこで今回は、当事務所にご相談にこられたお客様の「やってしまった後悔だらけの住まいづくり」をご紹介するとともに、致命的なミスを防ぎ満足のいく住まいづくりを成功させるためのポイントをご紹介したいと思います。

業者への要望は口頭ではなく書面で渡す

「業者が、植えたばかりの大切な木を雑草と思って切ってしまった」(千葉県 40代男性 会社員)
雑草
著者提供

家の新築時におこるミスで多いものが、「大切な木を切られてしまった」「祠をこわされた」など敷地内の樹木や建造物に関するものです。大きな木は敷地を整地する業者も気を付けるのですが、比較的小さい低木や、石を積み重ねたようなかたちの祠ですと、障害物として伐採したり、または取り壊してしまうことが多いのです。

こういったミスが起こる一番の原因は「伝達ミス」です。住まいづくりには、はじめの窓口となる営業担当者から建築士などの設計者、そのほか施工を指示する現場監督や、実際に建物をつくる基礎屋さん、とび職人さん、大工さんに電気・給排水などの設備屋さんなど、じつに多くの人がかかわっています。「きちんと現場監督に伝えたのに……」という施主も多いのですが、多くの方がかかわっている現場で、実際に建物をつくる大工さんなど職人さんまで打ち合わせ事項がきちんと伝わっていないことが多いのです。

このような致命的なミスを防ぐためにとる方法としては、伝え方が大事になってきます。大切な伝達事項は、打ち合わせの際に口で伝えるのではなく、きちんと紙や打ち合わせ簿などに書いて工事施工者やハウスメーカーの担当者に伝えましょう。そうすれば「切ってはいけない木」や「壊してはいけない祠」などに現地でロープを張るなどのマーキングや養生をしてくれるため、施工ミスを防ぐことができます

打ち合わせを進めていくなかで発生した変更事項なども、同様です。変更内容がきちんと反映されるように、メモや打ち合わせ簿などで設計士や工事関係者に伝えましょう。目に見える形で残しておくと、間違いが減るのでおススメです。