採用担当者と経営陣の観点は違う

書類審査および1次~2次面接を担当する人事担当者や現場の採用担当者などは、「即戦力として活躍できそうか」「職場の雰囲気になじめそうか」といった観点で選考するため、それをクリアしていれば「歓迎モード」で面接を終えます。しかし、だからといって「内定確実」と安心してはいけません。

最終面接の相手となる経営陣は、「会社の成長とともに自身も成長していける人か。それによって組織全体にプラスの影響を与えられる人か」という観点で応募者を見ています。特に成長途上のベンチャーやスタートアップではその傾向が強く見られます。昨今マーケット環境が劇的に変化するなかでは、知見をアップデートし続けることが重要。「アップデートできる力=伸びしろ」を重視した結果、経験豊富な即戦力人材よりも、「経験は浅いけれど成長意欲が高い人」が選ばれるケースは多いものです。

これから転職活動に臨むなら、「過去(経験・実績)」をアピールするだけでなく「未来」に目を向けて自身のWILL(やりたいこと・なりたい姿など)を描いておくことをお勧めします。

②「うちの会社では物足りなくなるのではないか」

Bさん(40代)はマーケティングや事業企画の経験を持ち、これまでにいくつかの新規事業の立ち上げを手がけてきた方。ある企業の事業企画ポジションに応募し、これまで担当したプロジェクトを余すところなくアピールしました。しかし、やはり経験と実績は高く評価されつつも、“オーバースペック”を理由に採用見送りとなってしまったのです。

採用担当者が不採用とした理由は、このような懸念からでした。

「すばらしい経験と実績をお持ちだけど、うちの会社ではここまでのレベルは求めていない。これまでBさんが経験してきたような新しい取り組みの機会を、当社では提供できない。オーバースペックとなってしまい、せっかくの能力を持て余してしまうのではないか。入社しても物足りなく感じて、すぐに辞めてしまうのではないだろうか」

このようなパターンの場合、Bさんが実際に入社後に物足りなさを感じることになるのであれば、不採用になったのはむしろ良かったといえるでしょう。しかし、本当に応募企業に魅力を感じていて、入社したいという気持ちが強かったのであれば、自己アピールを工夫する必要がありました。

まず、これまでの実績をあれもこれもとアピールすることは控えます。応募企業の求人情報を読み込み、募集ポジションの仕事内容や期待されている役割をイメージしたうえで、それが自分のキャリアのどの部分と共通しているのかを考えるのです。

つまり、「相手のニーズ」と「自分の経験・能力」の接点を見つけ、そのポイントにフォーカスしてアピールすることが大切です。

数ある候補者のなかの一人が拡大鏡でクローズアップされている
写真=iStock.com/tadamichi
※写真はイメージです