ある大手警備会社も関澤さんの顧客のひとつ。まだ規模が小さい頃からの付き合いだ。その間に、社員数は数百人から3万人規模に拡大。シェアの一部は他社に譲ったものの、今でも本社や各支社・支店・営業所で朝日生命の商品が支持されている。
良好な人間関係は思わぬ効果も生む。役員に昇進したかつての新人社員が自社の取引先を紹介してくれるのだ。先の企業の場合、制服や靴、消火器といった仕入れ先と縁結びしてくれた。
「子会社をご紹介いただいたり、出向された方が保険見直しで指名をくださることもあります」
関澤さんは、「サービスは契約完了で終わるのではなく、大事なのはそれからです」という。
「資産運用の助言など、保険営業はお客様の人生を支える存在でないといけません。お会いできる頻度は違っても、同じ愛情で接することが私の信条です」
自社の人間関係にも配慮する。積極的に部下の育成に携わり、上司とのコミュニケーションも欠かさない。関澤さんが勤務する、銀座第1営業所の安孫子栄営業所長は次のように称える。
「彼女の場合、顧客というより後援者。30年超のキャリアで、オンリーワンの営業ノウハウが確立できていると思います」
普段の生活も節制を心がけ、「常にベストのコンディションでお客様に接したいから」という理由から、お酒の付き合いも控えめだ。見習うべき点は、多々あるのではないだろうか。
※順位は平成19年度国内生保各社発表資料調べ
(永井 浩=撮影)