高血圧治療に関する情報の見極め方
現在でも、高血圧は脳出血の主要なリスク因子の一つです。たまたま放置していても平気だった事例だけを取り上げて、高血圧の危険性を否定することはできません。インターネット上の記事や一般書の医療情報は玉石混交です。間違った医療情報を真に受けて高血圧を放置すると、脳出血や心筋梗塞を起こして後遺症が残ったり、命を失ったりするかもしれません。
こうして医師の言うことがそれぞれに違っていると、患者さんは混乱すると思います。ですが、表現の自由がありますから、医学的に誤った情報を述べることを強制的に禁止することはできないのです。メディアでは「正しいけれどもわかりにくい情報」よりも、「間違っていても単純でわかりやすい情報」のほうがより注目を浴びやすく、専門家の99%が同意しかねる意見であっても、一般の人たちに広く支持されてしまうことがあります。
情報の真偽に関しては、現段階では残念ながら、患者さん側で判断していただくしかないのが現状です。判断の助けとなる一つの目安として、学会のコンセンサスに反対しておきながら、学会や医学誌ではなく一般書でしか自説を主張しない人は、専門家からは相手にされない主張しかできないと推測していただくといいと思います。