どう始まるかよりは、どう終わるか

勝ちにつながるパフォーマンスの指標となる数字が求めるところなのだろう。とはいえ、そこでトップになったからと言って、世界一の選手となるのか。もしかしたら、自身の言葉通り、現役でプレーしている限り世界一の選手になった実感は湧かないのかもしれない。ふと、メジャー1年目の時の言葉が思い浮かんだ。

斎藤庸裕『大谷翔平語録』(宝島社)
斎藤庸裕『大谷翔平語録』(宝島社)

「初打席も初登板もドキドキしましたし、ワクワクもしましたけど、そこはやっぱり特別だったかなと思いますし、今日の打席に関してもあまりそういう気持ちと違わずに、同じ気持ちで毎日入れているので、そういう意味ではいいんじゃないかなと。毎試合毎試合、そういう気持ちで、やっていければ。どう始まるかよりは、どう終わるかが大事だと思うので、シーズン終わった時に、いいシーズンだったなと思えるように、一日一日頑張りたい」

どう始まるかよりは、どう終わるか――。

エンゼルスのOBで野球殿堂入りしているウラディーミル・ゲレロ氏も、かつて同じ言葉を大谷に投げかけていた。まずは、目の前の試合を懸命にプレーする。個人として「世界一」なのかどうか。そう感じる日は、選手として燃え尽きるまで来ないのかもしれない。

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