「260万人の大阪市が基礎自治体として大きすぎるという指摘には、理屈はあると思います。ただ、それを分割しても現在のサービスを継続することができるかどうか。地区によって大きな貧富の差がありますが、分割すれば地域間格差がどんどん出てくるでしょう。いまだに区割り案すら示すことができず、財政調整の詳細も提示できていません。大阪府は橋下府政下で負債が大幅に増え、6兆円を超えました。前市長の下で借金が減った大阪市の懐に手を突っ込むことで、府の財政危機を打開するのでしょうか。(自分の失政への)目くらましに見える」
「大都市地域特別区設置法」の成立を受けて、特別区を設けようとする動きは、大阪以外にはまだない。住之江区の高橋区長は「公選区長に出馬するかどうかは、わからない」と話した。
「いまは市職員として『街を元気にしましょうね』とどの区民にも等距離で付き合えています。選挙になれば、投票をお願いすることになる。気持ちを切り替えるにはハードルがある」
公募区長たちの4年間は、まだ緒に就いたばかりだ。
※すべて雑誌掲載当時
(熊谷武二(中川区長、柳本市議)、プレジデント編集部=撮影 PANA=写真)