生産終了の決定に、全社員が反対
――看板商品だったぽぽちゃんの「生産終了決定」に、社内からはどのような反応があったのでしょうか?
【桐渕さん】もう3年ぐらいかな、経営チームで議論を重ねてきた結果、1年ぐらい前に正式に決断したわけですが、やっぱり社員全員から反対されました。特にベテランの方の反対は強かったです。
全員すごくぽぽちゃんを大事に思っていたので、やめるという選択肢があるとは誰も考えていなかったのです。開発チームに納得してもらうのに時間がかかりました。
若い社員も「昔ぽぽちゃんと遊んでいた」という世代がうちに入ってくれるようになり、そのぽぽちゃんの開発に携われることにやりがいを持っている人も多かったのです。そんな中での決定に、「なんでやめるの? という雰囲気がありました。繰り返し話をして、それぞれが自分なりに折り合いをつけて、「次に繋げていこう」となるのに1年以上かかったと思います。
世の中がこんなにざわつくとは…
【桐渕さん】その後、ぽぽちゃんの生産終了を発表して、世の中がこんなにざわつくと思っていなくて社員一同びっくりしました。それほど、「ぽぽちゃんは影響力があった」ということが認識できました。
「すごい決断をしたね」とたくさんの人に言われて、「あ、やめたことは正しかったのかもしれない」という気持ちが徐々に強くなりつつあります。それまで生産終了や経営方針に反対していた社員の気持ちも、とても前向きなものに変わってきたという感触があります。だから今回のぽぽちゃんの反響は本当にありがたかったです。