600万ドルはポケットマネー

「三木谷さんからやってみましょうという提案があった時、その600万ドルは楽天からではなく、三木谷さん個人のポケットマネーだったんです。これは簡単なお金ではないなという意識が当時からかなりありましたね」

芹澤健介『がんの消滅 天才医師が挑む光免疫療法』(新潮新書)
芹澤健介(著)、小林久隆(医学監修)『がんの消滅 天才医師が挑む光免疫療法』(新潮新書)

3度目の会合の後、小林は三木谷の目の前ですぐさまアスピリアンのCEOミゲル・ガルシア=グズマンに連絡を入れている。アメリカで治験ができるようになった、ミスター・ミキタニがお金を出してくれるそうだと伝えると、ガルシア=グズマンも絶句していたそうだ。

ともあれ経済的なバックアップを得たことで、光免疫療法は動物実験から人間に対する臨床試験へと準備を重ねていくことが可能となった。

「スポンサーとしての三木谷さんは非常に心強い」と小林は言う。

「彼が本気なのが分かりますし、首尾一貫してブレないから。やらしい気持ちで“ちょっと儲けてやろう”と片手間でやってるのとは違います。こないだも、ぼくはこのプロジェクトに命をかけてますなんてメールがきました」

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