風邪も引いていないのに、どこか体調がすぐれない。その不調は「低気圧」が原因かもしれない。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「交感神経と副交感神経のどちらかに偏っている状態だと、天気によって体調が左右されやすい。まずは自分の自律神経の総合力を知ることが大切だ」という――。

※本稿は、小林弘幸、小越久美『天気に負けないカラダ大全』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

体調が悪くベッドに横になっている人
写真=iStock.com/PixelsEffect
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バランスは「1:1」~「1:1.5」がベスト

自律神経には交感神経と副交感神経があります。どちらかが優位に働いている間、もう一方はお休みするというような関係ではなく、常に両方が働いていて、その時間帯や環境、目の前の出来事によってその出力が増えたり減ったりを繰り返しているというイメージです。

交感神経と副交感神経の理想のバランスは「1:1」~「1:1.5」。副交感神経は年齢とともにその働きが弱まっていきますが、理想だけをいえば両方同じくらいか副交感神経がやや優位に働くくらいの状態が不調を寄せつけないベストバランスです。

さらに理想を追い求めると、ただバランスが取れているだけではなく、どちらもが高いレベルで働き、交感神経と副交感神経の活動量を足した「トータルパワー(総合力)」の高い状態がベスト。

元気がいっぱい詰まったビーカーの低い位置で両者が働いていても、つかみ取れる元気の量は少ないですよね。

ところが、高い位置で自律神経が働いていれば、元気の量は十分なうえに元気のストックもたくさんあります。

どれだけ楽しくてもストレスとは背中合わせ

ただし、このトータルパワーを常に高い位置で働かせ続けるのは簡単ではありません。

自律神経のトータルパワーを車のガソリンにたとえると、トータルパワーが高いとき、交感神経と副交感神経、それぞれのガソリンは満タンです。

走り出しも快適なら、ガタガタ道に足元を取られることなくガンガン進んでいけます。

しかし、ここが自律神経のおもしろいところで、どれだけ快適な道中であっても、運転に集中しているときは緊張もしているし、疲れもストレスも溜まります。

つまり、何日も前から楽しみにしているような予定や好きなことに没頭している時間であったとしても、常にストレスは背中合わせ。

そして、夢中になっているときはこのストレスの存在に気づきにくく、心から楽しいと思っていたとしても、小さな隙間からガソリンがチョロチョロと漏れ出してしまっていることがよくあります。

すると、気づかぬうちにトータルパワーが下がってしまい、「ここ最近、好きなことしかしていないはずなのに、なんだか調子が上がらない」といったモヤモヤ不調を抱えることになったりします。

さらに、それが運悪く季節の変わり目に重なった場合には、頭痛、歯痛、便秘・下痢など、人それぞれ持っているウィークポイントに不調が現れやすくなることが予想されます。

低気圧不調を遠ざけて、毎日を元気に過ごすためにも、まずは、「自律神経のバランス診断」に取り組んで、自分のトータルパワーがどれくらいなのかを知ることから始めましょう。