※本稿は、小林弘幸、小越久美『天気に負けないカラダ大全』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
「袋がパンパンに膨らむ」状況が体で起きている
あるデータによれば、成人の3人に1人が低気圧不調に悩まされているとされ、天気によって体調に影響が出る人は日本国内に約1000万人いるといわれています。
台風などで低気圧が発生すると、SNSでは「#片頭痛」「#やる気出ない」「#低気圧のせい」などの言葉が飛び交います。
敵を制するためには、敵を知ることから。
低気圧不調で悩む私たちにとって、最重要キーワードである低気圧について、さらに掘り下げていきましょう。
山頂でパンパンに膨らんだお菓子の画像を見たことがないでしょうか。
あれこそが、まさに、低気圧のときに私たちの体に起こるむくみの正体です。
お菓子の袋も人間の体も、常に外側と内側の圧力を均等に保とうとします。
平地では圧力のバランスが取れていますが、山頂に近づくほど空気が薄くなり、圧力は弱ります(=低気圧)。
袋の外側からかかる圧力が弱まった分、袋の中にあった空気を外に逃したいのですが、出口がないために袋はパンパンに膨らみます。
人間の体では、気圧が低くなると、細胞などに含まれる水分が外側へと向かうので、体がむくみます。
低気圧で雨や雪が降るメカニズム
気圧とは空気の重さのこと。低気圧のとき空気は薄くなります。
酸素の少ない場所で活発に行動するのは危険と判断した体は、副交感神経を働かせ、体をリラックスモードへと導きます。
すると、なんだかやる気が起こらない、眠い、だるいなど、高山病にも似た症状に見舞われる人が出てきます。
最近の研究では、気圧の変化を耳の奥の内耳がキャッチすると一時的に交感神経が刺激され、頭痛や関節痛、古傷の痛みといった、痛み系の症状が現れることもわかってきています。
このように、低気圧女子のさまざまな不調の引き金となる低気圧ですが、なぜ、低気圧のときは雨や雪が降るのか知っていますか。
簡単に説明すると、
↓
暖かい空気は軽いので上へ向かう
↓
上昇気流が発生し、上空で冷やされ雲ができる
↓
雲の粒が大きくなり上昇気流が支えきれなくなると雨として降ってくる
ということが起こっています。