ビッグモーターは取引先金融機関に融資を断られた

そんな中でも大きいのは金融機関の動きだ。

同じく不祥事が表面化したビッグモーターも、取引先金融機関が借り換え融資を断っている。問題企業への貸し付けを行えば、その金融機関自身が問題視されかねない時代になっている。

上場企業の場合、不祥事が起これば、株主総会などで経営者が追及される。ジャニーズ事務所の場合、非上場なので、資金が不足すれば主要取引銀行などに借金を申し込むことになる。その金が借りられないとなれば、運転資金に事欠くようになる可能性も出てくる。つまり、「変わった」ことを世の中に示せなかったら、ジャニーズ事務所は存続できなくなる可能性が出てくる。

砂時計は刻々と残り時間を告げている
写真=iStock.com/Zephyr18
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ファンドが入り、株式上場を目指すべきだ

10月2日の会見では、社名変更を打ち出すことになるだろう。タレントが海外の仕事を受ける場合、ジャニーズ事務所所属という名前が問題になる可能性は十分にある。今や世界では性加害は絶対に許されない問題として敵視されている。社長に就任した東山紀之氏自身、ジャニー喜多川氏の行為を「人類史上、最も愚かな事件」だと強く批判している。そのジャニー氏の名前に拘っていると見られることは「会社存続」には決定的にマイナスになる。だが、「ジャニーズ」というブランドが巨額の金銭的価値を生んできただけに、会社がそれを捨て去る覚悟が持てるかどうか。

もうひとつの焦点である藤島氏の持ち株問題は、ファンドなど第三者に売却するしかないだろう。その上で、ファンドが新しい経営者を据え、経営体制を整備して、株式上場を目指すべきだ。所属タレントの東山氏が社長に就いても、実態は何も変わらない。東山氏が高い経営力を持っているという話も聞かない。

株式上場を目指して、株主が多様化すれば、経営者へのチェック機能も高まり、会社も存続していくことができるだろう。だが、道のりは容易くない。というのもタレント事務所という業態が、所属タレントに大きく依存するため、転籍などの流出が止まらなければ会社としての存続ができなくなるからだ。

そのためには持ち株構造など経営のあり方については早急に結論を出す必要がある。そこで時間を取られているようだと、ジャニーズ事務所は自然消滅に向けて沈み始めることになりかねない。

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