ChatGPTは仕事の役に立つのか。KDDI総合研究所リサーチフェローの小林雅一さんは「アメリカではすでに2人に1人が仕事に活用している。一方、日本人のビジネス利用は7%で、活用ぶりには大きな差がある」という――。

※本稿は、小林雅一『AIと共に働く-ChatGPT、生成AIは私たちの仕事をどう変えるか-』(ワニブックス【PLUS】新書)の一部を再編集したものです。

日本人の46%は「ChatGPTを知らない」と回答

ChatGPTが世界的に普及する中、日本企業の間でも、この画期的ツールを日々の業務に活用して生産性や効率性を上げようとする動きが進んでいます。ブームが巻き起こった2023年の春ごろから、テレビや新聞、ウェブなど各種メディアは頻繁にそれらの様子を報じてきました。

ただ、実際のところメディアで取り上げられるのは少数派で、むしろ日本企業の多くはChatGPTの職場への導入に慎重な姿勢で臨んでいるようです。

ICT(情報通信技術)分野の市場調査コンサルティングを提供するMM総研(本社:東京都港区)が2023年5月末にウェブ上で実施したアンケート調査によれば、日本および米国の企業・団体に所属する従業員1万3814人のうち、ビジネス(日頃の業務)にChatGPTを利用している人は日本では僅か7パーセント(図表1)でした。

一方「(ChatGPTを)知らない」と回答した人は全体の46パーセント、知っていても「利用していない」との回答は同42パーセントに上ります。

アメリカとの違いは経営層の関心度

これに対し米国ではChatGPTをビジネスに利用している人の割合が全体の51パーセントに達する一方、「知らない」は同9パーセント、「利用していない」は同23パーセントです。

米国の回答者数は402人と日本よりも大幅に少ないですが、恐らく傾向を知る上では十分な数の母集団と見られます。

日米で大きな開きが生じた理由として、MM総研は「経営層の関心度合い」を指摘しています。

図には示されていませんが、米国では経営層の6割以上がChatGPTに強い関心を抱いているのに対し、日本は米国の半分以下(3割台)。結果的にChatGPTの有料アカウントなど社内の利用環境において日米で大きな開きが生じたことが、業務における利用率の違いとなって現れているようです。

一方、会社としてChatGPTの利用に関して何らかの規制を設けている割合は両国とも3割程度と違いはありません。