行政や卸・小売、不動産は利用率が低い
相対的に慎重な日本企業の中でも、ChatGPTの活用に割と積極的なのは従業員の多い大手企業です(図表2)。また一般社員よりも、経営層や管理職の方がChatGPTを利用していることも分かりました。
業種的にはエネルギー・水などインフラ系、大学など学術研究、あるいは情報通信などの業界(領域)でChatGPTはよく使われていますが、逆に地方自治体など行政、卸・小売、不動産などでの利用率は低くなっています。
部門別に見ると、人事部門がChatGPTの活用に積極的であることが分かります。ChatGPTの利用者に具体的な用途を尋ねると、日米とも上位から「文章生成」、「文章要約」、「文章校正・構造化」、「情報検索」の順となりました(図表3)。
9割以上の利用者が「今後も継続したい」
具体的には「メールなどの定型文を作成する」「議事メモを要約する」「膨大な情報があるときの整理」等を指しており、どんな業種や部門でも必要とされる業務にChatGPTが活用されていることが分かります。
一方、日米で大きな違いが出たのは「アイディア生成」や「コーディング(コンピュータ・プログラミング)」など。米国ではこれらの用途にChatGPTがよく使われているのに対し、日本ではあまり使われていません。
図には出てきませんが、ChatGPTを利用する主な目的は日米とも「既存業務の効率化」であり、「新規事業での活用」や「教育・研修の高度化」などが次なる目標として位置付けられています。
ChatGPTが生成した内容について満足度を尋ねると、日米とも用途ごとに若干の違いはあるものの、10段階評価で概ね6~7点と評価しています。また、9割以上の利用者が「今後も利用継続したい」と回答するなど、かなり満足していることが窺えます。