40代後半の「ラストチャンスに、もう一花咲かせたい」

もう一つの自力で問題解決ができないケースは、年齢が関係しています。

男性であれば、40代の後半になると、一般的には転職もままならない状況を迎えますが、身体的にも精神的にも元気であれば、「ラストチャンスに、もう一花咲かせたい」と考える人が多いようです。

そうは思っても、自力だけで「何とかできること」には限りがあります。

そうしたリアルな現実に直面して、占いに関心を持ち始める人が多いようです。

私のもとに初めて相談に来た男性に理由を聞いてみると、次のような答えが返ってきました。

「やりたくない仕事を我慢してやっていれば、何とか会社に残ることはできるが、やりがいがまったく感じられないので何とかしたい」(生命保険・50代)

「早期退職を勧告されたが、転職しても収入が下がるのは目に見えている。会社にしがみつくべきだろうか? 転職もままならないため、起業も考えているが、自分は起業に向いているのだろうか? もし起業するならば、どんな方面がいいのか?」(医薬品・40代)

「出世街道を外れたので、近いうちに肩たたきに合いそうな気がする。どんなことが起こるのか、今後の自分の運勢を知りたい」(精密機器・50代)

人は誰でも、ある年齢を迎えると自分の人生の「限界点」を感じるようになりますから、それに戸惑ったり、あがいてみたくなるのも無理はありません。

誰でもいいから自分の悩みを聞いてほしい……と感じ始めたとき、多くの人が占いの存在に気づくのかもしれません。

階段に座って考え込む男性
写真=iStock.com/PonyWang
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深く考える人は「目に見えない存在」にも意識を向ける

昨年のことですが、長く大学教授をされていた方が、「リタイア後のこれからの活動や生活について、西洋占星術を通して考えてみたい」と依頼を受けました。

遠方にお住まいのため、リモートでの鑑定となりましたが、「若い頃に西洋占星術に興味を持って少し調べたことがあり、時間ができたので、改めて興味を持ち始めた。まずは自分のことを占ってほしい」ということでした。

この元大学教授に限らず、いわゆるインテリと呼ばれる人たちには、占いに興味を持ち、その仕組みを熱心に勉強したり、実際に占い師に鑑定を依頼する人が少なくありません。

その理由を聞いてみると、「世の中の仕組みを知れば知るほど、人間は自然や宇宙の摂理など、何か大きな力によって動かされていると感じることが多くなり、そうした流れで占いに興味を持つようになった」という意見が大半を占めます。

実際、京セラや第二電電(現・KDDI)を創業した稲盛和夫さんや、パナソニック(旧・松下電器産業)グループ創業者の松下幸之助さんなど、「経営の神様」や「カリスマ経営者」といわれるような人たちは、その著書の中で幾度となく宇宙やスピリチュアルな存在について言及しています。

すべての優秀な経営者に共通しているわけではありませんが、物事を深く考える人ほど、その思考の果てに「目に見えない存在」にまで意識を向けていたようです。

いくら経験豊富な経営者であっても、選択と決断の際には、自分の「直感」(感覚的に感じ取る能力)や「勘」(経験によって感じ取る能力)、「ひらめき」(瞬間的に思い浮かぶこと)に頼らざるを得ない局面があります。

そうした状況で判断材料の一つとして活用したのが、占いであり、神仏や風水であったといわれています。