だが、インターネットでの情報収集を通じ、日本製の軽トラックがより適しているのではないかと考えるようになったという。カー・スクープは、サイド・バイ・サイドが3万ドル(約430万円)もすることを挙げ、軽トラックなど他の選択肢に目を向けることは「理に適っている」との見方を示している。

ホンダ「アクティ・トラック」を29万円で手に入れる

モーガンさんが1977年式のホンダ「アクティ・トラック」を農園に迎え入れるまで、数カ月とかからなかった。入手してみると、「驚くほど便利です」と目を見張ったという。満足したのは価格だけではない。車幅が1.5メートルにも満たないアクティは、非常に身軽だ。

アメリカでは大型のピックアップトラックがよく利用されている。多くは2~4シーターで、後方は屋根のない広い荷台となっている。SUVほどの大型のサイズが主流だ。一方で日本の軽トラは、ピックアップトラックでは進入できないような狭い空間を得意とする。荷物の積み下ろしのため、必要ならば小さな納屋に入ることも自由自在だ。

また、公道走行に規制があるサイド・バイ・サイド・ビークルとは異なり、軽トラなら一部の州を除いてこうした規制はない。この点はモーガンさんにとっても、大きな魅力であったという。入手にかかった費用は合計で約2000ドル(約29万円)と低価格で、モーガンさんは良い買い物をしたと喜んでいる。

あまりに気に入ったため、1台目の軽トラックを購入した後すぐに、さらに機能が充実した2台目の軽トラックに乗り換えたほどだ。エアコンを完備し、ボタン一つで荷台が傾く「アクティブダンプ」を装備した新たな相棒が、モーガンさんの農園での作業を今日も支えている。

ホンダ「アクティ・トラック」
ホンダ「アクティ・トラック」(写真=Mr.choppers/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons

「ホンダだったら不安はない」

別の導入事例も報じられている。米ニュースサイトの「インサイダー」と有力自動車情報サイトの米「オート・ブログ」は、南部アラバマ州の養蜂農家であるシンディ・ブライアントさんを特集している。68歳にして現役の養蜂家だ。

彼女は今年3月、前掲のモーガンさんと同じくホンダ「アクティ・トラック」を購入した。Facebookを見ていたところ、1996年式のアクティが5500ドル(約80万円)で売りに出されているのを発見。すぐに支払いを済ませ、その月のうちに入手したという。

元々はフォードのSUVも視野に入れていたブライアントさんだが、大きすぎると考え直し、よりコンパクトなクルマを探していたという。アクティは彼女の条件にぴったり合致したが、中古の日本車を購入するのは初めてで、若干の不安もあった。