圧倒的な個性で商売をしていく

マイルスのすごいところはその時代に流行った音楽をなんでもマイルス風に変えてしまうところ。圧倒的な個性を持っている。最初、マイルスはモダンジャズから入りました。だが、そこにとどまるわけではない。ジミ・ヘンドリックスとやろうとしたり、プリンスとやりたいと言ったりもする。さらにはラップの世界にも入っていく。

そして、マイルスが入るとどんな音楽もマイルスの音楽になってしまう。それでいて、時代とともに自分も変わっていく。

商社がそうです。そうならなきゃいけない。時代の変化に合わせていかないと長く生き残れない。

生成AIをはじめとする新しいテクノロジーが入ってきて、世の中は大きく変わっていく。変わっていく社会のなかでも伊藤忠は商売しなきゃいけない。マイルス・デイビスのように周りを取り込んで、圧倒的な個性で商売をする。「ひとりの商人、無数の使命」、そんな伊藤忠を目指したい。

(聞き手・構成=ノンフィクション作家・野地秩嘉)
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