日本経済はこれからどうなるのか。モルガン銀行(現・JPモルガン・チェース銀行)元日本代表の藤巻健史さんは「日銀は7月の金融政策決定会合で『YCCの柔軟化』を決定した。何か変わったような気がするが、『異次元の金融緩和』は何も変わっていない。このままでは円安、インフレは止まらず、円の大暴落は避けられない」という――。
金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の植田和男総裁=2023年7月28日、東京・日本橋本石町の同本店
写真=時事通信フォト
金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の植田和男総裁=2023年7月28日、東京・日本橋本石町の同本店

日銀は「異次元の金融緩和」を何も変えられなかった

日銀は7月27、28日に開かれた金融政策決定会合で、「±0.5%程度」としている10年国債利回りの変動幅を「±0.5%程度をめど」に変更することを決めた。0.5%を一定程度超えることを容認したかたちだ。

10年国債を無制限に買い入れる連続指し値オペの利回りは0.5%から1%に引き上げた。これが長期金利の事実上の上限となった。