働いている家族の扶養に入るのがいちばんお得
3つの中で最もお得なのが、③の保険料負担ゼロで家族の被扶養者になることです。たとえば、協会けんぽでは、被扶養者となるための要件を以下のように定めています。収入には雇用保険から給付される失業給付も含みます。
【被保険者と同一世帯に属している場合】
年間収入が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満(※3)
【被保険者と同一世帯に属していない場合】
年間収入が130万円未満(60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合
※3:2分の1未満でなくても、被保険者の年間収入を上回らない場合は、生計状況によって被扶養者となれることがある
年間収入が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満(※3)
【被保険者と同一世帯に属していない場合】
年間収入が130万円未満(60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合
※3:2分の1未満でなくても、被保険者の年間収入を上回らない場合は、生計状況によって被扶養者となれることがある
自分で健康保険を選択できるのは74歳まで
退職後の健康保険について、3種類の選択肢をご紹介しましたが、「③家族の健康保険の被扶養者となる」は収入要件が厳しいので、実際には「①任意継続被保険者になる」か「②国民健康保険の被保険者になる」を、給付内容や保険料を比較して選ぶのが一般的です。
退職前の準備として、国民健康保険は自治体の窓口で計算してもらい、健康保険は保険者のHPで計算方法を確認するか、保険者に問い合わせてみてください。国民健康保険料をシミュレーションできるサイトもあります。
税金・社会保険教育『国民健康保険料シミュレーション』
前年の収入が多いとか扶養家族がいるといったケースでは、任意継続の保険料のほうが安くなったとしても、退職後の収入ダウンによって、2年目の保険料は国民健康保険のほうが安くなることもあります。任意継続の保険料は2年間変わりませんから、途中で脱退することも視野に入れ、保険料を再計算したうえで、あらためて比較検討してください。
定年を迎えた人の多くは、健康保険から任意継続被保険者を経て(あるいは経ることなく)国民健康保険に加入し、いずれ後期高齢者医療制度に加入するという道筋を辿ります。働いていようがいまいが、雇用されていようが自営であろうが、家族の被扶養者になっていようが、75歳以降は全員が後期高齢者医療制度に加入しなくてはなりません。
言い換えれば、どの健康保険に加入するかを選択できるのは74歳までです。「選択できる」ことを最大限活かすという発想も大事です。