日本以上の厳しい景気停滞に直面している

中国全体で年金や医療などの社会保障体制に対する不安も高まる中、より多くの人が負債の圧縮に取り組み、消費や投資を減らすだろう。経済全体でバランスシート調整の圧力は強まり、需要は減少する。デフレ経済環境は深刻化しそうだ。

中国経済の先行き不安は高まらざるを得ないだろう。不動産市況の悪化によって、雇用、所得環境は悪化し、バランスシート調整や過剰生産能力を抱えた企業の倒産増加、業種の再編といった構造調整の深刻化懸念は高い。社会保障への不安、経済規模などを踏まえると、1990年の年初以降にわが国が経験したものよりも厳しい景気の停滞に中国は向かいつつあるとも考えられる。

それは、世界経済、特に実体経済にとって無視できないリスク要因だ。わが国の工作機械受注額の減少は、中国経済が、世界の足を引っ張る要因になったことを示す一つの要素といえるだろう。

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