介護にかかる費用は平均500万円超

1.突発的な費用

毎年必ずかかる生活費以外の不定期もしくは突発的に起こる出来事への費用です。家の修繕費、子供の結婚資金援助、病気や介護にかかる費用などが挙げられます。

事前に起こることが予測できる家の修繕費などはあらかじめ積み立てておく等対策が可能です。一方でいつどのような病気にかかるのか、介護が必要となるかは分かりません。厚生労働省によると、2020年度の要介護(要支援)認定者数は約682万人となり、公的介護保険制度がスタートした2000年度の認定者数約256万人と比べると約2.66倍増加しています。

また生命保険文化センターによると月々の介護費用は平均8.3万円、介護期間は平均5年1カ月でした。つまり平均506.3万円かかるということになります。在宅介護か施設介護かでも費用は変わってきますが、預貯金で準備できればいいですが、足りない方は保険で準備するなどの対策も検討すべきでしょう。

※参考:公益財団法人 生命保険文化センター 介護にはどれくらいの費用・期間がかかる? リスクに備えるための生活設計|ひと目でわかる生活設計情報|

「ゆとりのある生活」には月38万円が必要

2.ゆとり資金

公益財団法人生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると「老後を夫婦2人で暮らしていくうえで、日常生活費として月々最低いくらぐらい必要か」という設問に対する回答の平均額は月額で23.2万円であったが、「経済的にゆとりのある老後生活を送るためには、あといくらぐらい必要か」という設問に対しての回答は平均月額14.8万円でした。

内訳は降順で旅行やレジャー、日常生活費の充実、趣味や教養、身内とのつきあいと続いています。時間に余裕ができ、旅行に出かけたり、生活の質を上げたりして日々を楽しむ方が多いのではないでしょうか。実際に私のお客様の中に「大の旅行好きで、少なくとも年に2回は豪華な海外・国内旅行に出かけていて、定年退職後はもっと回数を増やしたい」という方がいて、老後の資金に不安を持ちつつも一度きりの人生、楽しみを削りたくないという声をよく聞きます。

ですがゆとりある生活にあと14.8万円必要とすると、平均余命から3550万~5000万円は必要になります。あくまで平均余命での計算ですので、長生きすればするほど必要なお金は増えていきます。何歳まで生きるか寿命のコントロールはできませんので、長生きのリスクに備えるためにも余裕をもって準備した方がいいでしょう。

ゆとりのための上乗せ額の使途
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