ディズニーは40年間に約2.8倍値上げ
3.インフレーション
モノの値段が上がることを指します。
日本銀行は消費者物価の前年比上昇率2%を目標としています。物価の上昇から賃金の上昇が促されることを期待しています。
日本では100円ショップや、ファストフードやファストファッションなどの定着で、安くモノやサービスを買うことができ、「日本は長引くデフレで物価は上がっていない」という声もありますが、長期的に物価は上がっています。
特に昨年度から今年前半にかけては多くの企業から値上げが発表されており、帝国データバンクの「『食品主要195社』価格改定動向調査」によると2023年の食品値上げは、年間累計は3万5000品目前後の到達が予想されています。長引く円安や原材料高、原油高騰による物流コストの増加などが影響しています。マクドナルドは2022年3月から今年1月にかけて3度の値上げを実施し、1年でハンバーガーは110円から170円になりました。
7月には製パン大手の山崎製パンやフジパンや敷島製パンが食パン・菓子パン類の値上げを予定しています。最近ではディズニーランドのチケットが大人1日1万900円と、1万円超えになるというニュースが話題になりました。開業当初は3900円ですから40年の間に約2.8倍になりました。映画館大手のTOHOシネマズは映画の鑑賞料金を6月1日から一部値上げすると発表しています。
この先、現貯金の価値は目減りしていく
こうして挙げていくと値上げの例はキリがありません。このように長期的にみると物価は上がっています。
しかし1999年にゼロ金利政策が導入される以前は、物価が上がっても金利がそれ以上付いていたので、何も気にしないですみました。1990年の郵便貯金の金利は6.08%でした。
今現在では預貯金の金利ではほとんど利息が付かないので、そのままにしていると、現金の価値は下がっていきます。現在は郵便貯金の金利は0.002%です。この記事を読んでいる50代~60代の方の多くは「昔は金利が良かったのに」と思っているのではないでしょうか。
日銀が目標としている物価上昇2%が実現すると、現預金だけでは手元のお金の価値が目減りしていく一方になり、長く生き続けるほどお金が足りなくなる可能性が高まります。
仮に年率2%のインフレなら10年間で単純に単利計算して20%です。100万円の車があるとすると、価値は10年間で2割上がり、120万円になってしまいます。今100万円あるけど、10年後に車を買おうと考えて預金していると、年間20円ずつしか利息が付かないので、10年で200円ですから、いざ買おうとすると車は120万円なのに、手元のお金は100万200円しかなく、車を買えない事態が起きてしまっているのです。