一見、華やかそうなアッパー・ミドルの生活であるが、内情は火の車というのが実態だ。実はいま私たちが真に学ぶべき生活設計の知恵は、ロウアー・ミドルの生活のなかにある。

最後に若年ロウアーの子供世代と、すでに退職金をたんまりと手にしたうえに、年金生活をエンジョイしているアッパー(高所得者層)の親世代が、揃って没落していきやすい盲点について触れておく。

いまの子供世代は、かつてのバブル景気を経験していない。超難関の就職戦線を潜り抜けて「ホッ」としたのも束の間、年収はいつまでたっても200万、300万円と低く抑えられたまま。上を見てもポストは大量採用されたバブル入社組で満席状態であり、自分が入り込む隙間は見つかりそうにない。