カロリー制限不要、必要なのは糖質制限

さまざまな研究から、アジア人は欧米人と比べて糖尿病に罹りやすいことがわかっています。その理由が、白米の摂取量にあることもわかっています。

2013年にハーバード公衆衛生大学院のチームが、日本、アメリカ、オーストラリア、中国の4カ国で行なわれた、計35万2384名分の研究報告を分析した結果を発表しています。

それによると、1日当たりの白米摂取量が茶碗1杯増えるごとに、糖尿病のリスクが11%上昇することが明らかになったのです。実際に、世界中で糖尿病は増えているものの、その増加率は中国や日本など白米を多食するアジア地域において顕著です。

こうしたことからも、糖尿病対策として重要なのは炭水化物摂取量を減らすことなのは間違いありません。

ところが、いまだにカロリー制限をもとにした食事指導を行なっている医療機関がほとどです。しかし、血糖値をコントロールするために、カロリーなんて気にする必要はありません。同じことが、アルツハイマー病予防にも言えます。

インスリン抵抗性を起こしてアルツハイマー病に近付くのを避けたいなら、日頃から気にしなければならないのはカロリーのことではなく、糖質摂取量についてです。

卵かけごはん
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炭水化物の摂取がアルツハイマー病の進行を早める

ここで、「食品成分表」から3つの食材のカロリーをピックアップしてみましょう。

ご飯150グラム(ご飯茶碗1杯)は約240キロカロリーです。
牛ヒレ肉150グラム(ステーキ1枚)は約335キロカロリーです。
オリーブオイル36グラム(大さじ3杯)は約333キロカロリーです。

カロリー制限が必要だと主張する人たちの理論に従えば、肉や油を摂取するより白米のほうが安全ということになります。しかし、実際には、血糖値を上げるのは肉でも油でもなく、白米だけです。

消化の過程で、炭水化物がブドウ糖に分解されることはすでに述べてきました。同様に、肉などのタンパク質はアミノ酸に、脂肪は脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。アミノ酸も脂肪酸もそれぞれ大事なはたらきをしますが、血糖値を上げることにはまったく関与しません。

血糖値を上げなければ、インスリン抵抗性は起きません。インスリン抵抗性が起きなければ、アルツハイマー病を遠ざけられます。

このように、中年と言われる年代になったら、むしろタンパク質や脂質を積極的に摂り、ご飯やパン、麺類などの炭水化物の摂取量を減らしていくことが健康の秘訣ひけつです。